公開日時: 2025-11-30T15:23:49.020183+00:00 / 作者ID: e740b964-b73b-45e2-b479-2730ada9e53f

今日の練習も終わり、俺は一人リングの上で汗を拭っていた。心地よい疲労感と、今日も一日やりきったという達成感。後輩たちの熱心な視線も、観客の歓声も、全てが俺、相沢

# 要約: 白田と五十嵐に肉体的な凌辱を受け、精神的にも追い詰められた相沢は、彼らの写真の脅迫によってリングの清掃を命じられる。吐き気をこらえながら清掃を終え、意識を失った相沢は、翌朝オーナーに発見され、数日の休暇を与えられた。心の傷は癒えず、悪夢に苛まれながらも日常に戻った相沢だが、ある日、白田と五十嵐に再び「特訓」と称して呼び出される。断れない相沢は彼らに従い、あの日の悪夢が繰り返された練習用リングへと連れてこられる。鍵が閉められ、逃げ場のない状況で、五十嵐は「あの日の続き、たっぷり可愛がってやる」と告げ、白田は「さっさと四つん這いになって、ケツこっちに向けてくださいよ」と命令し、相沢の新たな地獄が始まろうとしていた。相沢は扉へ逃げようとするが、白田にスマートフォンに映った屈辱的な写真を再び見せられ、さらに五十嵐からは後輩に写真をばら撒くと脅され、足がすくんでしまう。絶望に立ち尽くす相沢に、白田は「あんたは俺たちに逆らわず、ただ可愛がられてればいいんですから」と告げ、五十嵐は唾液を溜め、相沢の地獄は終わらない。相沢は白田と五十嵐に左右から脅され、吐き気をこらえながらもただ俯いている。

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章数: 22
モード: multi

物語全文

今日の練習も終わり、俺は一人リングの上で汗を拭っていた。心地よい疲労感と、今日も一日やりきったという達成感。後輩たちの熱心な視線も、観客の歓声も、全てが俺、相沢の力になっていた。

そんな静寂を破って、二つの影がリングサイドに現れる。白田と、五十嵐さん。

「よぉ、相沢のアニキ。まだ残ってたんスか? さすが人気者は練習熱心で感心しちゃうなァ」

オールバックの髪を撫でつけながら、白田が軽薄な笑みを浮かべる。その隣では、岩のような巨躯の五十嵐さんが、険しい表情で腕を組んでいた。

「……相沢。俺たちに、胸を貸せ」

「白田に五十嵐さん。どうしたんだ、二人揃って。特訓なら、いつでも付き合うぜ?」

「さっすがアニキ! 話が早くて助かるぜ。実は、新しい連携技を思いついてな。アンタみたいなデカくてタフな相手にゃ、うってつけなんだよ」

ニヤニヤと笑う白田の言葉に、俺は少しも疑いを持たなかった。後輩に慕われるのは悪い気はしないし、こいつらの強くなりたいという気持ちに応えるのが、俺の役目だ。

「2対1か。面白そうじゃないか。よし、やろう。ゴングを鳴らすぞ」

俺がそう言ってファイティングポーズを取った、その瞬間だった。

「ゴングは……必要ねえだろうがよォ!!」

五十嵐さんの野蛮な咆哮と同時に、白田が目にも留まらぬ速さで俺の懐に潜り込む。予測不能な動き。それは試合の動きではなかった。

ドムッ、と鈍く湿った音が腹に響く。ガードの間にねじ込まれたのは、硬い頭。反則技のヘッドバットだ。

「ぐっ……!?」

息が詰まり、一瞬、視界が白く飛ぶ。鍛え上げた腹筋が衝撃を殺しきれず、俺の巨体が思わず「く」の字に折れ曲がった。その隙を、五十嵐さんが見逃すはずもなかった。

「人気者の腹は、どんな味だァ……?」

背後から巨木のような腕が回され、俺は極太の首を容赦なく締め上げられる。スリーパーホールド。だが、その締め方は明らかに常軌を逸していた。頸動脈ではなく、喉仏そのものを潰しにかかるようなえげつない角度。

「がっ……あ……!」

呼吸ができない。酸素を求めて口をパクパクとさせる俺の顔を、目の前に立った白田が楽しそうに見下ろしていた。

「アニキ、苦しそうっスねェ? でも、まだまだこれからだ。俺たちの『特訓』、たっぷり味わってもらうぜ」

その言葉を合図に、五十嵐さんの拘束が緩む。だがそれは解放を意味するものではなかった。そのまま巨体に担ぎ上げられ、俺はリングの中央へと運ばれる。抵抗しようにも、先ほどのヘッドバットとチョークスリーパーで、全身から力が抜けかけていた。

「オラ、まずはテメェのそのツラを、俺の唾で汚してやるよォ……!」

五十嵐さんの顔が近づき、その口から粘り気のある唾液の塊が、俺の頬にべちゃりと塗りつけられた。屈辱に、全身の血が沸騰する。

「てめえら……!」

「おっと、まだ威勢がいいなァ。じゃあ次は、その自慢の脚をへし折ってやんよ」

白田が俺の足首を掴み、ありえない方向へと捻り上げる。プロレスの技などではない。ただ、相手を破壊するためだけの、純粋な暴力。俺のレスラーとしての誇りが、軋みを上げて崩れていくのが分かった。

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白田の拘束から抜け出し、何故こんな事をするのか問い質す。白田は嫉妬の感情を向け、五十嵐は前から生意気な相沢を痛めつけたいと思っていた事を告げる。相沢は二人から距離を置き、様子を窺う。

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足首に食い込む白田の指。骨が軋む鈍い痛みと、頬に残る唾の不快感。そして何より、仲間だと思っていたはずの男たちに向けられる、剥き出しの敵意。俺の中で、何かがぷつりと切れた。

「う……おおおおっ!!」

俺は残った力を振り絞り、自由な方の足でマットを蹴りつける。その反動を利用して全身を捻り、白田の腕を強引に振りほどいた。テコの原理で体勢を崩した白田が、たたらを踏んで数歩下がる。その隙に、俺は五十嵐さんの巨体からも転がるように距離を取った。

リングの中央で、俺はぜえぜえと肩で息をしながら、ゆっくりと立ち上がる。睨みつける先には、忌々しげに舌打ちをする白田と、地響きのような唸り声を上げる五十嵐さん。

「……どういうつもりだ、白田。五十嵐さん。これは特訓じゃねえのか……? なぜこんな真似をする!」

俺の問いかけに、最初に口を開いたのは白田だった。その顔からは先ほどまでの軽薄な笑みは消え、どす黒い嫉妬に歪んでいた。

「特訓ィ? あァ? いつまでも気楽でいいよなァ、アニキはよぉ! いっつもそうだ! アニキ、アニキって周りからチヤホヤされやがって……! 客も後輩も、みんなアンタばっかり見ている! 俺のことも、五十嵐さんのことも、ただの引き立て役くらいにしか思ってねえだろうが!」

「……白田の言う通りだ。前から気に食わなかったんだよ、テメェのその澄ましたツラがな。いつも余裕綽々で、俺たちを見下しやがって。今日こそ、その人気者の化けの皮を、根こそぎ剥いでやる……!」

絶望的な言葉だった。憧れでも、目標でもない。こいつらが俺に向けていたのは、ただ純粋な憎悪と破壊衝動。俺が後輩たちのためにと汗を流している間、こいつらは腹の底でこんな感情を煮えたぎらせていたというのか。

「……そうか。それがお前たちの本心か」

俺はゆっくりと腰を落とし、構えを取り直す。もはや言葉は通じない。ならば、力でねじ伏せるしかない。プロレスラーとしてではなく、ただ生き残るために。俺の覚悟を感じ取ったのか、二人もまた、じり、と間合いを詰めてくる。獲物を嬲る捕食者の目だ。汗が顎を伝い、ぽたりとマットに染みを作った。

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五十嵐の鋭い突進を受け、床に倒れてしまう。その隙に白田は相沢の両足を広げ、露わになった股間を何度も蹴りつける。五十嵐は苦しんでる相沢の顔に唾を飛ばす。

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俺の覚悟と、奴らの殺意がリングの上で火花を散らす。先に動いたのは、巨体の五十嵐さんだった。白田への警戒で一瞬意識が逸れた、そのコンマ数秒の隙。

「オオオオオオッ!!」

獣の咆哮。それはフェイント。本命は、その巨体に見合わぬ速度で放たれた、低く鋭いタックルだった。俺の重心を完璧に捉えた衝撃が、腹の底を揺さぶる。まるで鉄塊に正面からぶち当たったかのようだ。

「ぐっ……ぁ……!」

受け身を取る間もなく、俺の背中はマットに叩きつけられた。肺からごっそりと空気が奪われ、視界が激しく点滅する。ダウンした俺に、間髪入れずに白田が覆いかぶさってきた。

「ハッ! やっと捕まえたぜェ、アニキぃ!」

白田は俺の両足を乱暴に掴むと、無慈悲に大開脚させた。抵抗しようにも、五十嵐さんの体重が俺の上半身をマットに縫い付けている。プロレスラーとして、いや、男として最も晒されたくない無防備な姿。

「やめ……ろ……ッ!」

懇願は、嘲笑に掻き消される。白田はニヤニヤと歪んだ笑みを浮かべ、俺の股間を品定めするように見下ろすと、履いていたレスリングシューズのつま先で、躊躇なくそこを蹴り上げた。

「う……ごぉっ!?」

内臓がせり上がってくるような、鈍い衝撃。金的を打たれた痛みで、全身が痙攣する。思考が真っ白に染まり、ただただ熱い痛みの奔流に意識が飲み込まれそうになる。だが、悪夢は終わらない。

「どうしたァ? 声も出ねえか? 人気者のアニキはよォ、キンタマも弱いんだなあ!」

二発、三発。的確に、執拗に、急所を狙った蹴りが叩き込まれる。ぐちゅり、と肉が潰れるような嫌な音が響き、腹の奥で何かが破裂したかのような激痛が走った。視界の端が暗くなり、冷や汗が全身から噴き出す。

「あ……ああ……ッ……!」

俺が痛みでのたうち回る姿を、五十嵐さんがすぐ側で見下ろしていた。その険しい顔が、満足げに歪む。

「いいザマだな、相沢。……もっと汚してやるよ」

ぺっ、と吐き捨てられた唾が、俺の顔に粘り気のある音を立てて落ちた。額から頬へ、ぬるりとした生温かい液体が伝う感覚が、屈辱で精神を焼き切る。痛みと不快感で、俺はもはや抵抗する気力さえも奪われかけていた。白田の足が、再び俺の股間へと振り上げられるのがスローモーションで見えた。

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相沢は白田に反撃し、拘束から抜け出す。五十嵐は動きの弱い相沢にプロレス技をかけ、ジワジワ痛めつける。

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屈辱と激痛の赤い霧の中で、俺の生存本能が最後の火を灯した。白田の足が振り上げられる。もう一撃食らえば、俺の意識は確実に刈り取られるだろう。だが、それは同時に、千載一遇の好機でもあった。

来る。肉を抉る衝撃を覚悟し、俺は全身の神経を右腕に集中させた。ぐちゅり、という鈍い音と共に、睾丸が砕け散るかのような絶叫モノの痛みが腹の底を駆け巡る。だが、俺は意識を飛ばす寸前で歯を食いしばり、痛みの震源地である白田の足首を、渾身の力で掴み取った。

「なっ……!?」

「う……おおおおおッ!」

獣のような咆哮を上げ、俺は掴んだ足首を捻り上げる。テコの原理で白田の身体が体勢を崩し、俺の足から解放される。その一瞬の隙を見逃さない。俺は自由になった両足でマットを蹴り、上半身を押さえつけていた五十嵐さんの巨体を、ブリッジの要領で跳ね上げた。

「ぐおっ……! このガキ……!」

さすがに五十嵐さんを完全に振りほどくことは出来ない。だが、生まれたわずかな空間に、俺は身体を滑り込ませるようにして転がり出た。マットに額を擦り付けながら、息も絶え絶えに二人から距離を取る。

腹の奥で疼く鈍痛に、立っていることさえ覚束ない。視界は霞み、全身から脂汗が噴き出している。それでも、俺は震える足でなんとか立ち上がった。化け物のような二人を前に、寝転がったままでは嬲り殺されるだけだ。

「へえ……まだ動けるんだなァ、アニキ。大したタマだよ、潰れかかってるだろうけどなァ!」

白田が下品に笑う。だが、俺が警戒すべきは、その奥で静かに怒りのオーラを立ち昇らせている五十嵐さんだった。さっきまで浮かべていた愉悦の表情は消え、そこにあるのは獲物を取り逃がした捕食者の、獰猛で冷徹な眼光だけだ。

「……小細工はそこまでだ、相沢」

地を這うような低い声。次の瞬間、五十嵐さんの巨体が再び突進してきた。タックルではない。真正面からの、純粋な突撃。俺は弱った身体でなんとかそれを受け止めようと構えるが、衝突の衝撃は先ほどとは比べ物にならなかった。

「ぐ……ふっ……!」

まるでコンクリートの壁に叩きつけられたようだ。まともに組むことさえできず、俺の身体は数メートル吹き飛ばされ、うつ伏せにマットへ叩きつけられた。受け身も取れず、顔面をキャンバスに強かに打ち付ける。

朦朧とする意識の中、背後から近づいてくる巨大な気配を感じた。五十嵐さんが、俺の傍らに膝をつく。そして、俺の両足をがっしりと掴んだ。

「やめ……」

抵抗の言葉は、音にならなかった。五十嵐さんは俺の両足を掴んだまま立ち上がると、そのまま俺の身体を跨ぐ。そして、俺の足首を自身の脇に挟み込むと、ゆっくりと、しかし着実に腰を落としてきた。

「あ……ああ……ッ!?」

背骨が軋む。腰が、ありえない角度へと反らされていく。プロレス技の中でも特に過酷なものの一つ、逆エビ固め。ボストンクラブだ。だが、五十嵐さんがかけるそれは、ショーで見せる技などではなかった。本気で俺の身体を破壊しようという、純粋な悪意に満ちていた。

「ギギ……ギ……どうだ、相沢。お前のその自慢の肉体が、軋んで悲鳴を上げてるのが聞こえるか?」

耳元で、五十嵐さんの荒い息遣いと、地獄の底から響くような声が聞こえる。腰を中心に、全身の筋肉が引き伸ばされ、断裂しそうな悲鳴を上げていた。金的を蹴られた腹の奥の傷が、内側から抉られるように痛む。

「う……ぐ……あああああッ!」

口から漏れるのは、意味をなさない絶叫だけ。視界が明滅し、酸欠で頭が痺れてくる。五十嵐さんの体重が、じわじわと、だが確実に俺の腰に乗りかかってくる。背骨の一本一本が、ミシミシと音を立てて砕けていくような感覚。このままでは、本当に折られる。

「さあ、泣け。喚け。お前のプライドごと、ここでへし折ってやるよ」

屈辱に顔が歪む。だが、それ以上に、逃れられない肉体的な苦痛が俺の精神を蝕んでいく。タップをすれば、この地獄からは解放されるだろう。だがそれは、この男たちに、レスラーとして、そして一人の男として、完全に屈服することを意味していた。

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五十嵐の攻撃に耐え、タップはしない。五十嵐は相沢のその根性を褒めて、拘束を解く。相沢は五十嵐に反撃をするが、別のプロレス技をかけられる。白田は五十嵐の真似をして、唾を吹きかける。

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タップをすれば、楽になれる。その悪魔の囁きが、脳髄に直接響いてくる。だが、俺の魂が、それを拒絶した。ここで膝をつけば、俺はもう二度と、レスラーとして、いや、男としてリングに立つことはできない。歯を食いしばり、俺は迫り来る暗闇に必死で抵抗した。

「……っ……はぁ……はぁ……!」

酸素が足りない。全身の血管が、内側から破裂しそうだ。意識が飛びかける寸前、俺の腰にかかっていた圧力が、ふっと軽くなった。

「……ククッ、面白い。実に面白いじゃねえか、相沢。そのクソみてえな根性、気に入った」

五十嵐さんは、意外にも楽しそうに喉を鳴らすと、俺の足を解放した。突然の解放に、俺の身体はぐったりとマットに沈む。だが、休んでいる暇はない。これは好機だ。

俺は最後の気力を振り絞り、うつ伏せの状態からスプリングのように跳ね起きた。そして、まだ俺の傍らにいる五十嵐さんの巨体に、なりふり構わず突進する。

「うおおおおおっ!」

しかし、百戦錬磨の五十嵐さんが、そんな付け焼き刃の反撃を許すはずもなかった。俺のタックルを柳のように受け流すと、逆に俺の首を太い腕で捕らえる。

「がっ……!」

しまった、と思った時にはもう遅い。五十嵐さんは俺の背後に回り込むと、首を捕らえた腕とは逆の腕を俺の脇の下から通し、後頭部でがっちりとクラッチを組んだ。完璧なスリーパーホールド。裸絞めだ。

「調子に乗るなよ、ガキが。お前の息の根なんざ、いつでも止められるんだ」

頸動脈が圧迫され、再び脳への血流が途絶えていく。逆エビ固めとは違う、意識を直接刈り取りに来る冷たい感覚。抵抗しようにも、五十嵐さんの巨体にがっちりとホールドされ、身動き一つ取れない。

すると、それまで様子を伺っていた白田が、愉悦に歪んだ顔で俺の前に回り込んできた。そして、五十嵐さんがさっきやったように、俺の顔を覗き込む。

「ハッ、無様だなァ、アニキ。五十嵐さんにされるがままじゃねえか」

白田はせせら笑うと、口の中に溜めていたであろう唾液を、べちゃり、と俺の額に吐きかけた。生温かい液体が、額から頬を伝い、顎から滴り落ちる。

「……っ! てめえ……!」

「おっと、口答えか? 絞め落とされながらよく喋れるもんだなァ」

白田はさらに唾を吐きかける。二度、三度と。屈辱で目の前が真っ赤に染まる。だが、首を絞め上げられている俺には、それを拭うことさえできない。背後からは五十嵐さんの荒い息遣いと、俺の身体を締め上げる腕の力が、じわじわと強くなっていくのが分かった。

「どうした、相沢。もう終わりか? お前のプライドも、そのツラに垂れ流された唾と一緒くたに、マットに染み込んじまうぞ」

意識が霞んでいく。肉体的な苦痛と、精神的な屈辱。二重の地獄の中で、俺の抵抗する力は、急速に失われていった。

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意識を失うギリギリで拘束が解ける。相沢は動く事は出来なかった。白田と五十嵐は連係技を仕掛け、相沢を更に追い詰める。

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ぷつり、と意識を繋ぎとめていた最後の糸が切れる寸前、俺の首を締め上げていた剛腕が緩んだ。脳に酸素が駆け巡る感覚と共に、俺の身体は全ての力を失い、糸の切れた操り人形のようにマットへ崩れ落ちる。

「……かはっ……! げほっ、ごほっ……!」

俺はうつ伏せのまま、激しく咳き込んだ。喉が焼け付くように痛い。霞む視界の中で、俺を見下ろす二つの巨大な影が揺らめいていた。もはや指一本動かす気力も残っていない。ただ、荒い呼吸を繰り返すことしかできなかった。

「ハッ、見てみろよ五十嵐さん。天下の相沢アニキが、まるで赤ん坊みてえに這いつくばってるぜ」

「まだだ、白田。こいつには、俺たちの『新しい連携技』を、その身体にみっちり刻み込んでやらねえとな」

地を這うような五十嵐さんの声に、俺の背筋が凍った。やめろ、もうやめてくれ。声にならない叫びは、喘鳴となって喉の奥で消える。無慈悲にも、二人は俺の腕を掴むと、ぐい、と乱暴にその場に立たせた。抵抗する力など、どこにも残ってはいない。俺の身体は、完全に二人のなすがままだ。

五十嵐さんが俺の背後に回り、両腕をがっちりと羽交い絞めにする。完璧なフルネルソン。先ほどのスリーパーホールドとは違い、締め上げるのではなく、完全に動きを封じ込めるための拘束技だ。

目の前には、白田が仁王立ちしていた。その顔には、獲物を嬲り殺す捕食者のような、残忍な笑みが浮かんでいる。

「よぉ、アニキ。特等席だろ? これから、俺たちのショーが始まるぜ」

その言葉が終わるか終わらないかのうちに、白田のレスリングシューズのつま先が、俺の股間を正確に、そして容赦なく蹴り上げた。

「……ッ!!!」

声にならない絶叫が、身体の芯で爆ぜる。内臓を直接握り潰されたかのような、凄まじい衝撃。視界が真っ白に染まり、全身から力が抜けていく。だが、五十嵐さんの屈強な腕が俺の身体を支え、崩れ落ちることさえ許さない。

「ぐっ、と……! いいぞ、白田! そいつをしっかり味わわせてやれ!」

俺が金的への激痛に悶える中、五十嵐さんは雄叫びを上げると、俺の身体を軽々と宙に持ち上げた。視界が逆さまになる。パワーボムの体勢だ。だが、五十嵐さんは俺を叩きつけない。俺の頭を自分の股ぐらに固定し、逆さ吊りの状態で静止した。

その、あまりにも屈辱的な体勢で、俺の目の前には、勝ち誇った顔で俺の尻を眺める白田の姿があった。

「ハハッ! 見ろよこの無様なケツ! いつも偉そうにしてるアニキの、これが本当の姿だ!」

白田は下卑た笑い声を上げると、俺のトランクスの腰ゴムに指をかけた。そして、ためらいもなく、一気にそれを引きずり下ろす。

「やめ……っ!」

抵抗の言葉は、逆さになった身体では意味をなさなかった。臀部を締め付けていた布が剥ぎ取られ、俺の尻が、リングの照明の下に無防備に晒される。羞恥と絶望で、思考が停止する。

「終いだ、相沢ァッ!」

五十嵐さんの怒号と共に、俺の身体はマットへと叩きつけられた。受け身など取れるはずもなく、背中と肩を強打し、肺から全ての空気が絞り出される。

「……がっ、は……っ……」

マットにうつ伏せに倒れ、トランクスは足首までずり落ちたまま。痛みと屈辱で朦朧とする意識の中、俺はただ、二人の男に嬲られるためだけに、このリングに存在しているのだと悟った。

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相沢はリングの上で仰向けで倒れる。白田と五十嵐はその体を踏み付けながら、勝利のポーズを決める。五十嵐は何度も唾を吹きかけ、相沢の顔全体を覆う。白田は言葉で罵倒して精神的に追い詰める。

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俺の意識が朦朧とする中、無慈悲な腕が俺の身体を乱暴に掴み、まるで汚物でも扱うかのように仰向けにひっくり返した。ごふ、と喉の奥から空気が漏れる。リングの照明が直接目を焼き、俺は思わず顔をしかめた。そして、その視界を遮るように、二つの巨大な影が俺の上に覆いかぶさる。

ずしり、と腹部に凄まじい圧力がかかる。五十嵐さんが、俺の腹の上に土足で乗り上げたのだ。続けて、胸にもう一つの重み。白田だ。二人は俺の身体を踏み台にして、勝ち誇ったように両腕を突き上げ、勝利のポーズを決めている。観客のいないリングに、二人の下品な笑い声だけが響き渡った。

「どうだ相沢ァ! いつもお前から見下ろされてきた俺たちの気分が、少しは分かったか!」

その言葉と共に、べちゃり、と生温かい液体が俺の額に叩きつけられた。五十嵐さんの唾だ。粘り気のあるそれが、眉を伝い、ゆっくりとこめかみへと流れていく。

「……や、めろ……」

絞り出した声は、あまりにもか細く、自分でも情けなくなるほどだった。だが、その懇願は、五十嵐さんの嗜虐心をさらに煽るだけの燃料にしかならない。

「あァ? 何か言ったか? 聞こえねえなあ!」

べちゃ。べちゃ。べちゃ。

立て続けに吐きかけられる唾が、俺の顔を汚していく。頬に、鼻に、唇に。それはまるで、俺という人間の尊厳を、その汚物で塗り潰していく儀式のようだった。抵抗しようにも、身体は鉛のように重く、腹と胸を踏みつけられていては身動き一つ取れない。俺にできるのは、屈辱に固く目を閉じることだけだった。

「ハッ! いいザマだな、アニキ。いつも後輩に偉そうな口ばっか叩いてたけどよぉ、本当はこうやって踏みつけられて、汚されるのが大好きなんだろ?」

白田の言葉が、鋭いナイフのように俺の心を抉る。違う、そうじゃない。だが、反論する言葉は出てこない。事実、俺は今、無様に蹂躙されている。

「なぁ、どんな気分だ? 尊敬してたアニキが、俺たちの足元で、唾まみれになってるのを見るのはよぉ……ああ、違うか。見てるのはお前自身か。鏡があったら見せてやりてえよ。最高に惨めで、みっともねえ、お前のそのツラをな!」

言葉の暴力が、肉体的な痛み以上に俺の精神を蝕んでいく。そうだ、俺は負けたんだ。こいつらの、長年の嫉妬と憎悪に。そして今、その代償を払わされている。顔中を覆う唾の生臭さと、二人の男の汗の匂いが混じり合い、俺の思考を麻痺させていく。もう、何も考えたくなかった。

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五十嵐は「その顔もっと臭くしてやる」と言い、自身の脇を相沢の顔に擦り付ける。白田は相沢の脱げかけたパンツをずり下ろし、相沢のケツを靴のつま先で突く。

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俺の思考が完全に麻痺しきった、その時だった。腹の上にあった五十嵐さんの重みがふっと消え、一瞬だけ呼吸が楽になる。だが、それは新たな屈辱の序曲に過ぎなかった。

「ハッ、唾だけじゃ満足できねえか? ……いいぜ、その顔、もっと臭くしてやるよォ!」

野獣のような声と共に、俺の頭が鷲掴みにされ、無理やり横を向かされる。抵抗する間もなく、むわっとした熱気と、酸っぱい汗の匂いが鼻腔を直撃した。五十嵐さんが、俺の顔面に自身の脇を押し付けてきたのだ。

「んぐっ……! ぐ……!」

声にならない呻きが漏れる。ざらりとした肌、そこに絡みつく湿った体毛が、俺の頬から唇の上を蹂躙していく。鼻と口が完全に塞がれ、息ができない。脳が警鐘を鳴らすが、それ以上に、男の濃密な体臭が、俺の意識の全てを塗り潰していくようだった。こびりついた唾の生臭さとはまた違う、もっと生々しく、動物的な臭い。それは俺のプライドを根こそぎ破壊し、ただの「モノ」に貶めるための悪臭だった。

その惨状を見て、胸の上に乗ったままの白田が腹を抱えて笑い出した。

「ひゃはは! すげえ、アニキの顔が五十嵐さんの脇に! 最高じゃねえか! こりゃあ、もっと無様な姿にしてやんねえとな!」

その声と同時に、ずり落ちていたトランクスが、今度は何の躊躇もなく一気に引きずり下ろされた。びり、と安っぽい生地の破れる音と共に、俺の下半身が完全に露わになる。リングの冷たい空気が、無防備に晒された肌を撫でた。羞恥で身体の芯が凍りつく。

そして、次の瞬間。つん、と尻の割れ目に硬い何かが突き立てられた。白田の、靴のつま先だ。

「よぉ、アニキ。立派なケツしてんじゃねえか。いつもは後輩どもが、このケツに憧れてたんだろうなあ? だが今はどうだ? 俺の靴先で、こうやって弄ばれてるぜ」

ぐり、ぐり、と執拗に、まるで値踏みでもするかのように、白田は靴先で俺の尻を抉ってくる。その無機質な感触が、俺が人間ではなく、ただの肉塊として扱われている事実を突きつけてきた。五十嵐さんの脇に顔を埋められ、白田に尻を弄ばれる。視界も、呼吸も、尊厳も、全てが奪われていく。

「どうだ相沢……俺の匂いは……たっぷり染み込んだか……?」

耳元で囁く五十嵐さんの声は、ねっとりと湿り気を帯びていた。もう、何も考えられない。何も感じたくない。ただ、この悪夢が終わってくれることだけを、意識の片隅で祈っていた。

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白田と五十嵐は相沢のそばに立ち、ゆっくり自分のパンツを下ろす。相沢はそれぞれ形の違うガチガチの一物を見上げる。これから起こる事を予感しながらも体は動かず。白田と五十嵐は相沢の汚れた顔に一物を擦り付ける。

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俺の意識を蹂躙していた五十嵐さんの脇の悪臭が、ふっと遠のく。同時に、尻を弄んでいた白田の靴先も離れていった。一瞬だけ与えられた解放感。だが、それは悪夢の終わりではなく、更なる絶望への序曲に過ぎなかった。ゆっくりと、二つの影が俺の上にのしかかるように立ち上がる。

ぎ、と革の軋む音。続いて、じじ、と金属のファスナーが下ろされる、無遠慮な音。俺は、何もできずにただ、天井のライトを見つめていた。だが、その視界を遮るように、二つの巨大なものが現れる。

「よぉ、アニキ。特等席だぜ? 俺と五十嵐さんの、一番気合入ってるところ、じっくり見せてやるよ」

白田の派手な柄のトランクスが、そして五十嵐さんの赤いトランクスが、ゆっくりと引きずり下ろされていく。そこに現れたのは、憎悪と征服欲によって醜く膨れ上がった、二人の男の猛りだった。

視線を逸らすことすら許されない。白田のものは、若さを示すように筋張り、先端が鋭く尖っている。対照的に、五十嵐さんのは、年季の入った土台から伸びる、どす黒く太い塊だ。形こそ違えど、どちらもが俺を屈服させるためだけに存在している、暴力的なまでの熱と硬度を放っていた。これから何が起こるのか。予感が、冷たい絶望となって身体の芯を凍らせていく。それでも、身体は鉛のように重く、指一本動かせない。

「……どうだ、相沢。お前が踏み躙った俺たちの気持ちが、形になってるようだろォ……?」

低い、地を這うような声。その言葉と同時に、二人はゆっくりと腰を落としてきた。まず、俺の頬に触れたのは、ざらりとした硬い体毛の感触。そして、ぬるり、とした生温かい粘液が、乾きかけた唾液の上を塗り替える。二人の屹立した先端から滲み出た汁が、俺の顔の上で混じり合っていく。

「ん……ぅ……」

声にならない呻きが漏れる。ぐり、ぐり、と。白田と五十嵐は、示し合わせたかのように、俺の顔にそれぞれの雄を擦り付け始めた。額に、頬に、唇に、顎に。彼らの性器が通過するたびに、屈辱的な熱と湿り気が残っていく。男としての最後の尊厳が、ぐちゃぐちゃにかき混ぜられ、汚されていく感覚。

「ひゃは! 見ろよ五十嵐さん! アニキの顔が俺たちのチンポでぐしょ濡れだぜ! さっきの唾と混ざって、すっげえことになってんぞ!」

白田の甲高い笑い声が、リングに響き渡る。五十嵐さんは何も言わない。だが、その分、俺の口元を執拗に、ねっとりと太い先端で抉るような動きが、彼の興奮を雄弁に物語っていた。俺はもう、人間ではない。ただ、彼らの欲望を受け止め、汚されるためだけの肉の台座だった。

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二人は俺の両足を掴んで大きく開かせると、俺の穴に唾を吹きかけ濡らす。二人は同時に指を入れ、穴の感触を確かめる。相沢は初めての挿入に堪らず穴を締めてしまう。

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顔の上で混じり合っていた二人の熱が、ふっと離れていく。だが、それは安堵を意味するものではなかった。むしろ、これから始まる本当の陵辱を前にした、ほんの僅かな溜めに過ぎない。俺の視界の端で、白田と五十嵐さんが顔を見合わせ、下卑た笑みを浮かべるのが見えた。次の瞬間、がしり、と力強い感触が俺の両足首を掴んだ。

「よぉ、アニキ。これから、お前の知らねえ世界を見せてやるよ。今までテッペンからの景色しか知らなかったお前に、一番底辺の景色をな……!」

白田の言葉と同時に、俺の両足が抵抗を許さぬ力で左右に大きく開かれていく。股関節が悲鳴を上げる。これまで鍛え上げてきた筋肉が、屈辱的な形で引き伸ばされ、無様に晒される。俺の身体の中心、男としての最も無防備な部分が、リングの強い照明の下に曝け出された。

「や……め……」

か細い抵抗の声は、次の音によって無慈悲にかき消された。ぺっ、と粘り気のある水音。続いて、俺の尻の谷間に、生温かく、ぬるりとした液体がぶちまけられる感覚。五十嵐さんの唾液だ。一度ではない。二度、三度と、彼は執拗に唾を吐きかけ、俺の聖域だった場所を自らの体液で汚していく。

「こいつで十分だろォ……。お前みてぇな奴には、ローションなんざ勿体ねぇ……俺の唾でぐちゃぐちゃにしてやる」

野蛮な声が頭上で響く。その言葉が終わるや否や、俺は固く閉ざしていた場所に、二方向からの圧力を感じた。白田の、節くれだった硬い指。五十嵐さんの、肉厚で太い指。それらが、唾液を潤滑剤代わりにして、俺の身体の入り口にねじ込まれようとしていた。

「……ッ!!」

初めての異物感。経験したことのない侵入の感覚に、俺の身体は強張る。だが、彼らはそんな抵抗をあざ笑うかのように、ぐ、とさらに指を押し込んできた。まず、入口の薄い皮膚が引き伸ばされる。そして、その奥、これまで一度も他者を受け入れたことのない内壁が、無理やり押し広げられていく。

じゅぷり、と湿った音。二人の指が、同時に第一関節まで侵入する。その瞬間、俺の意思とは関係なく、身体が防衛本能で反応した。きゅう、と内部の筋肉が、侵入してきた指を力強く締め上げる。

「うおっ!? すっげえ締めてきやがる! おいアニキ、感じてんのかよ? 指入れただけだぜ?」

「……フン、まだプライドが残ってやがる証拠だ。だがな、相沢……そんなもんは、今から全部、俺たちの指で掻き出して、ぐちゃぐちゃにしてやるからなァ……!」

五十嵐さんの低い声が、まるで宣告のように響く。締め付けたことで、逆に彼らの指の形を、内部の粘膜がはっきりと感じ取ってしまう。ざらついた指の腹、硬い爪の感触。それらが俺の身体の内側で蠢き、今まで感じたことのない屈辱的な熱を生み出していく。俺は、もう逃げられない。このリングの上で、ただ、二人の男に身体を好きに弄ばれるだけの、肉の人形になり果てていた。

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指が抜けると白田が俺に覆いかぶさり、穴に挿入しようとする。白田の顔がキスができるくらいに近づき、「愛情を受け取れ」と言いながら挿入していく。

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俺の中で蠢いていた二本の指が、不意にその動きを止める。そして、名残を惜しむかのように内壁を一度、ぐり、と抉ってから、ずるりと引き抜かれていった。entradaが開かれ、蹂躙された後の、虚ろな感覚。だが、その喪失感は、すぐに新たな絶望によって塗り潰される。指が去ったことで生まれた隙間を埋めるように、さらに巨大で、熱いなにかの先端が、そこに押し当てられたのだ。

背後で見ていた五十嵐さんの、満足そうな息遣いが聞こえる。俺の身体を押さえつけるその手に、さらに力がこもった。そして、ずしり、と俺の背中にのしかかる体重。汗ばんだ肌。白田だ。俺の上に覆いかぶさった白田は、まるで獣が獲物に跨るように、俺の腰をがっちりと掴んで固定した。

抵抗しようにも、五十嵐さんに両肩をリングに縫い付けられ、身動き一つ取れない。俺の背後、まさにその入り口で、白田の熱く硬くなったそれが、ぐりぐりと存在を主張するように蠢いている。これまで感じた指など比較にならないほどの太さと硬さ。これが、男の、身体か。

ふ、と白田の熱い吐息が耳にかかる。奴の顔が、俺のすぐ側まで寄せられているのが分かった。キスでもするのかというほどの、至近距離。汗と、興奮の匂いが混じり合った生臭い空気が、俺の鼻腔を犯す。

「なぁ、アニキ……。今から、俺の愛情、たっぷり注ぎ込んでやるからな……。一滴も零さず、ぜぇんぶ、その身体で受け取れよ……?」

その言葉は、引き金だった。言葉が終わると同時、白田はゆっくりと、しかし確実な力で腰を押し付けてくる。

「……ッ! あ……ぐ……!」

声にならない悲鳴が喉の奥で詰まる。硬く閉ざされていたはずの場所が、巨大な楔によってこじ開けられていく。みち、みちみち、と皮膚が引き伸ばされる悲鳴が、身体の内側から聞こえてくるようだ。先端の傘の部分が、無理やり入口を押し広げ、粘膜に食い込んでくる。

ぬぷり、と生々しい水音。五十嵐さんが塗りたくった唾液が潤滑の役目を果たし、侵入を助けているのが、何よりも屈辱だった。第一関節まで、いや、指の時とは比べ物にならない圧力を伴って、白田の亀頭が俺の身体を内側から抉っていく。締め付けて抵抗しようとすればするほど、逆に内部の敏感な部分が刺激され、びくり、と身体が跳ねた。

「はっ……! すげえな、アニキ……。おい、見てくださいよ五十嵐さん。こいつ、俺のチンポ咥えただけで、身体ビクビクさせてやがる……!」

「フン……。口じゃ偉そうなこと言っても、身体は正直なもんだなァ……。もっとだ、白田。そいつのプライドが、根元まで砕け散るくれぇ、ぶち込んでやれ……!」

五十嵐さんの野蛮な声に煽られ、白田の腰の動きがさらに力を増す。じゅるり、と粘性の高い音がして、彼の熱い肉棒がさらに深く、深く、俺の身体の奥へと進んでくる。内壁が擦られ、押し広げられ、俺という存在が、白田の雄の形で上書きされていく感覚。痛みと、未知の熱と、そして、あってはならないはずの微かな疼きが、腹の底で渦を巻き始めていた。俺はもう、ただの器だった。

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指が引き抜かれ、白田が俺に覆いかぶさり挿入しようとする。白田はキスができそうなくらい近づくと、「愛情を受け取れ」と言いながら、ゆっくり挿入してくる。

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白田の雄が、俺の身体を内側から押し広げていく。それは、ただの痛みではなかった。痛みであると同時に、未知の熱を伴った巨大な楔が、俺という人間の核に向かって打ち込まれていくような、絶対的な侵略の感覚。じり、じり、と一ミリ単位で進むたびに、内壁が引き伸ばされ、悲鳴を上げているのがわかる。俺の意思とは無関係に、内部の筋肉が異物を締め上げ、拒絶しようと痙攣するが、その抵抗は逆に白田の存在を、俺の奥深くに食い込ませるだけだった。

「……っ、は……す、げ……。アニキ……めちゃくちゃ締めてんじゃねえか……。俺のチンポ、ちぎれそうだぜ……?」

俺の耳元で、白田が恍惚とした、それでいて途切れ途切れの息を漏らす。俺の身体が必死に抵抗する様が、奴にとっては最高の快感らしい。その事実が、俺のプライドをさらに深く傷つけた。

「当たり前だ、白田ァ! そいつが今までどれだけ偉そうにしてきたと思ってやがる。その身体の奥に染み付いたプライドごと、お前のぶっといのでめちゃくちゃに掻き回してやれ!」

五十嵐さんの下品な声が、まるで号砲のように響く。その言葉に背中を押され、白田の腰が一度、ぐ、と沈んだ。これまでとは違う、明確な意志を持った推進力。

「あ……ぐ、ぅうッ……!」

みちり、と内部で何かが引き裂かれるような鋭い感覚。亀頭が最も敏感な一点を通過し、さらに奥へと突き進む。そこからはもう、未知の領域だった。腸が押し上げられ、内側から圧迫される苦しさと、腹の奥で何かが熱く疼くような、奇妙な感覚が混じり合う。ぐじゅり、と肉と肉が擦れ合う湿った音が、俺たちの間に響いた。

白田のペニスが、俺の身体の最奥に突き当たったのが分かった。ずん、と腹の底に響く、重い衝撃。それは、逃げ場のない終着点。俺の身体が、完全に白田の雄を受け入れてしまった証だった。根元まで深く埋め込まれ、俺と白田の間に一切の隙間はなくなる。白田の恥骨が、俺の尻にゴリ、と硬く押し付けられた。

「……はぁ……、はぁ……。全部、入ったぜ、アニキ……。アンタのケツ、俺のチンポでいっぱいだ……。どうだ? アンタを慕ってた後輩に、こんな風にめちゃくちゃにされて……今、どんな気持ちだ……?」

奴の熱い吐息と共に、汗が俺の背中を濡らす。覆いかぶさる身体の重み、内部を埋め尽くす灼熱の異物、そして耳元で囁かれる屈辱的な言葉。全てが、俺の尊厳を削り取っていく。俺はもう、あの頃の「アニキ」ではいられない。ただ、後輩の雄を受け入れ、その欲望の器と化した、哀れな肉塊だ。白田はゆっくりと腰を半ばまで引き、そして再び、奥まで突き込んできた。

「……ッ! ひ、ぐ……ぅ……!」

ぐ、と息が詰まる。引き抜かれる時の喪失感と、再び貫かれる時の絶望的な感覚。内壁が擦られ、熱い肉棒が俺の内部の形をなぞるように動く。その度に、腹の奥の疼きが、じわりと熱を帯びていく。あってはならない感覚だと頭では分かっているのに、身体は正直に反応してしまいそうになる。このまま、こいつらの好きにされて、俺は本当に、壊されてしまうのかもしれない。

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今まで無理やり犯してきたのに、「好きだ、兄貴」と言う白田に困惑する。優しくキスをしながら腰を振る白田は相沢に嫉妬と言う名の愛情を募らせていたことを告げる。

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屈辱的な言葉と、身体を内側から蹂躙する灼熱の雄。白田はゆっくりと腰を半ばまで引き、そして再び、奥まで突き込んできた。ぐ、と息が詰まる。引き抜かれる時の喪失感と、再び貫かれる時の絶望的な感覚。内壁が熱い肉棒に擦られ、俺の内部の形をなぞるように動く。その度に、腹の奥の疼きが、じわりと熱を帯びていく。あってはならない感覚だと頭では分かっているのに、身体は正直に反応してしまいそうになる。このまま、こいつらの好きにされて、俺は本当に、壊されてしまうのかもしれない。絶望が俺の思考を黒く塗りつぶしていく。だが、その時だった。それまでの暴力的な動きが、ふ、と止まったのは。

背後から聞こえるのは、白田の荒い息遣いだけ。俺の内部を埋め尽くす熱塊はそのままに、ただ動きだけが停止した。何が起きたのか分からず、混乱する俺の耳に、信じられない言葉が囁かれた。

「……好きだ、アニキ……」

……は? いま、こいつは何と……?

理解が追いつかない。今まで散々俺を痛めつけ、辱め、獣のように犯してきた男の口から発せられたとは思えない、あまりにも場違いな言葉。俺は声も出せず、ただ硬直した。

すると、白田は俺の頭を優しく抱えるようにして、ゆっくりとキスをしてきた。それは、さっきまでの唾液にまみれた汚いものではなく、まるで壊れ物を扱うかのような、穏やかな口づけだった。唇が離れると、白田は俺の耳元で、堰を切ったように言葉を紡ぎ始める。その間も、腰はゆっくりと、深く、俺の身体の奥を確かめるように動き続けていた。

「ん……ぅ……ッ……」

ぐ、……ぐ、と一定のリズムで最奥を突かれるたび、思考が痺れていく。優しいキスと、甘い告白。しかし、身体は紛れもなく、後輩の雄に貫かれている。この矛盾した状況が、俺の精神をぐちゃぐちゃにかき乱す。

「ずっと……あんたに憧れてた……。誰からも慕われて、強くて、優しくて……。でも、いつからかな……。その憧れが、どす黒いもんに変わっちまったんだ……」

白田の独白は続く。彼の声は、熱に浮かされたように、それでいて悲痛な響きを帯びていた。

「あんたが誰かに褒められるたび、あんたが笑うたび……胸が張り裂けそうだった。なんで俺じゃねえんだって……。こんな感情、あんたには分かんねえだろうな……。あんたをめちゃくちゃにして、俺だけのものにしたかった。誰にも渡したくなかった……。この感情が、嫉妬だってことは分かってた。でも、もう止められなかったんだ……。これは、俺なりの愛情なんだよ、アニキ……」

愛情、だと……? これが? 人の尊厳を踏みにじり、力で捩じ伏せるこの行為が? 俺は混乱のあまり、何も考えられなかった。ただ、白田の言葉と、身体の奥をゆっくりと、しかし確実に抉る雄の動きを受け止めるしかない。じゅ、……じゅる、……と粘着質な水音が、俺たちの間に響き渡る。それは、白田の歪んだ愛情が、俺の身体に刻み込まれていく音のようだった。

「フン……。愛の告白とは、随分と安っぽくなったもんだなァ、白田。だが、まあいい。そいつが一番堪えるやり方で、じっくりと味あわせてやれ」

五十嵐さんは、どこか面白そうに、俺たちの歪な交わりを眺めている。白田の腰の動きは、言葉とは裏腹に、少しずつ熱を帯び、力強さを増していく。優しさの皮を被った、逃れようのない暴力。俺は、その矛盾の中で、ただただ壊されていくしかなかった。

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白田の愛情表現を身体で感じてしまう。白田の熱い種付けに感じ、ドライオーガズムでイッてしまう。

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馬鹿げている。愛情だと? この、暴力と屈辱にまみれた行為の、一体どこに。俺の思考は白田の言葉を拒絶する。だが、身体は、正直すぎた。白田の腰の動きが熱を帯びるにつれて、俺の腹の奥で燻っていた疼きが、無視できないほどの熱量を持って広がっていく。

「……あぁ、アニキ……。あったけえな……。すげえ、気持ちいい……。あんたの中、俺のでいっぱいだ……」

「や、め……ぅ……ん……ッ!」

やめろ、と叫びたいのに、喉から漏れるのは情けない喘ぎ声だけ。白田の雄が、俺の身体の最も柔らかな場所を、慈しむように、それでいて執拗に抉る。ぐ、と腰が沈むたび、内壁が押し広げられ、腹の奥の一点が強く圧迫された。そこは、今まで知らなかった俺自身の身体の急所。ずくん、と重い痺れが腰から背筋を駆け上がっていく。

「あ……ッ! ひ、ぁ……ッ!?」

なんだ、これは。痛みとは違う。身体の芯が、直接揺さぶられるような、抗いがたい感覚。俺が戸惑いの声を上げると、白田は確信犯のように、その一点を、さらに深く、ねっとりと穿ってきた。

「は、……ここか……? アニキの気持ちいいとこ……。ここなんだろ……?」

違う、と否定したかった。だが、白田がそこをぐり、と捻るように動かすたび、俺の身体は意思に反してびくん、と大きく跳ねた。もう、ごまかしはきかない。俺の身体は、この屈辱的な行為に、快感を覚え始めている。その事実が、俺のプライドをずたずたに引き裂いていく。

「ほう……。見ろ、白田。そいつの竿が、震えてやがるぜ。てめえのチンポで、ど突かれるのがよっぽど気持ちいいと見えるなァ」

五十嵐さんの指摘に、俺は自分の下半身に意識を向けてしまう。触れられてもいない俺の雄は、熱を持ち、小さく痙攣を繰り返していた。最悪だ。最低だ。俺は男に犯されて、感じている。

「うっそ……マジじゃん……。なあ、アニキ……。口じゃ嫌がってるけど、身体は正直なんだな……。俺のチンポ、そんなに気持ちよかったのか……?」

白田の声が、悪魔の囁きのように甘く響く。そして、彼は俺への最後の呵責とばかりに、腰の動きを激しくした。今までとは違う、速く、そして重い突き。ずぶり、ずぶり、と肉を捏ねるような生々しい音が響き渡り、そのたびに俺の腹の奥の快感の震源地が、乱暴に何度も何度も打ち据えられる。

「あ、あ、ああッ! んぐ……ッ! ま、だめ……ッ! そこ、は……ッ!」

もう限界だった。思考が灼熱の快感に焼かれていく。視界が白く点滅し、呼吸の仕方も忘れてしまう。快感と屈辱が混ざり合い、ぐちゃぐちゃになった感情の奔流が、俺の身体を内側から破壊していく。白田の灼熱が、俺のすべてを上書きしていく。

「いいぜ、アニキ……! もっと声聞かせろよ……! 俺のチンポでイくあんたの顔、しっかり見せてくれ……ッ!」

白田の腰が一際深く、強く、俺の身体を貫いた。ずぅん、と腹の底まで響く衝撃。その瞬間、俺の腹の奥で、何かが弾けた。

「あ゛……あ、ああああああああああああああああッ—————!!!」

精液を放出する感覚はない。だが、それを遥かに凌駕する、脳が焼き切れるような絶頂が、俺の全身を貫いた。身体が弓なりにしなり、指先まで痺れるほどの痙攣が襲う。俺は何も出すことなく、ただ後輩の雄に貫かれたまま、その熱で、その圧で、その存在そのもので、身勝手に絶頂させられたのだ。

は、は、と浅い呼吸を繰り返す俺の耳元で、白田が恍惚とした声を漏らす。

「……は、……イッた……。俺の、チンポだけで……アニキが……。……ああ、最高だ……。あんたはもう、俺のもんだ……」

その言葉は、もはや俺の意識には届いていなかった。俺はただ、ぐったりと身体の力を抜き、白田の歪んだ愛情の証明である熱い塊を体内に受け入れたまま、虚空を見つめることしかできなかった。

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五十嵐は白田を退けて、相沢の穴に挿入しようとする。「俺は愛情なんてないからな」と無慈悲に言うと、一突きで奥まで貫く。白田の突きは自分だけが気持ちよくなるような獣のような腰の振り方だ。

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俺の身体から、白田の熱がゆっくりと引き抜かれていく。内壁をねっとりと擦りながら後退していく感覚に、ぞわりと背筋が震えた。空っぽになった内部に、ひんやりとした虚無感が広がる。だが、それも束の間だった。

「……どけ、白田。次は俺の番だ」

間髪入れず、五十嵐さんの野太い声が響く。白田が俺の上から退くと、すぐに巨大な影が覆いかぶさってきた。見上げる間もなく、俺の両足首ががしりと掴まれ、無慈悲な力で大きく開かれる。先程よりもさらに大きく、抵抗を許さない角度で。

「……愛情だのなんだの、生ぬるい真似は性に合わんのでな。……覚悟しろよ、相沢」

白田のそれとは比較にならないほど硬く、分厚い熱の塊が、俺の入り口に押し当てられた。潤滑剤は、白田が残していった粘液と、先程五十嵐さんが吐きかけた唾液だけ。準備など、あるはずもない。

「ま……ッ! 待……!」

俺の制止の声は、肉が引き裂かれる音によってかき消された。

「―――ッ!!」

ごぶり、と鈍く低い音を立て、五十嵐さんの巨根が一息に俺の身体を貫いた。一切の躊躇も、手加減もない、暴力的な侵入。白田の時とはまるで違う、内側から爆ぜるような激痛が、俺の全身を駆け巡った。

「ああああああああがッ……!!!!!」

腸が無理やり押し上げられ、内臓が圧迫される苦しみ。ぶちり、と内部の薄皮が裂ける鋭い痛みが走り、腹の底から熱いものがこみ上げてくる。まるで鉄の杭を打ち込まれたかのような衝撃に、俺の身体は跳ね上がり、呼吸が止まった。

五十嵐さんは、俺の最奥にその雄を突き立てたまま、ぴくりとも動かない。まるで、俺という存在を、己の所有物だと刻みつけるように。

「……フン。大した悲鳴だな。だが、それで終わりだと思うなよ」

その言葉を合図に、獣の交尾が始まった。五十嵐さんの腰は、ただひたすらに、己の快楽のためだけに動かされる。速く、乱暴に、そして深く。ずぶずぶと、粘性の高い水音が下品に響き渡り、俺の身体はただの肉の器と化す。

「あ、ぐ……ッ! ぅ、ああ……ッ! ひ、……ッ!」

白田に抉られた快感の芯など、お構いなしだ。五十嵐さんの雄は、ただ無差別に、俺の内部を蹂躙し、叩きつけ、抉り続ける。痛みと、衝撃と、そして屈辱。それだけのはずなのに。

乱暴に打ち付けられるたび、腹の奥で、あの忌まわしい熱が再び疼き始める。痛みの中に、抗いがたい痺れが混じり合う。五十嵐さんの獣のような腰の動きは、俺から思考能力を奪い、本能だけの存在へと堕としていく。

「……ははっ。すげえな、五十嵐さん……。アニキ、もうめちゃくちゃじゃないすか……。さっき俺のでイったばっかなのに、もう腰がビクついてる……」

白田の嘲笑が聞こえる。やめろ、見るな、と叫びたいのに、喉から漏れるのは、五十嵐さんの突きに合わせて漏れる喘ぎ声だけ。

「……こいつはこういう風に、力でねじ伏せてやるのが一番なんだよ。なぁ、相沢……。俺のチンポは、どうだ……? 白田のより、てめえの腹の奥に響くだろ……?」

五十嵐さんは、俺の耳元で囁きながら、ことさらに腰を大きく、深く抉りつけてきた。ぐじゅり、と粘液が掻き混ぜられる音が響き、俺の身体の芯が、的確に貫かれる。

「あ……ああああッ! ん、ぐ……ッ! そ、こ……は……ッ!」

ダメだ、まただ。また、あの感覚がやってくる。脳が快感に焼かれて、何も考えられなくなる。五十嵐さんの野蛮な雄に、俺のプライドも、理性も、すべてがぐちゃぐちゃに掻き回されていく。

「……うるせえな。どこだろうが関係ねえ。てめえはただ、俺のチンポを受け入れて、啼いてりゃいいんだよ……!」

五十嵐さんの腰の動きが、さらに加速する。もう、俺に逃げ場はなかった。痛みと快感が渾然一体となり、思考を麻痺させていく。俺はただ、二人の男に好き勝手に犯される、肉の人形だった。

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ただ激しく蹂躙されていくというのに身体は感じてしまう。五十嵐が種付けすると同時に、白田の時のようにドライオーガズムでイッてしまう。

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五十嵐さんの獣じみた腰の動きに、俺の身体は木の葉のように揺さぶられる。思考はとうに麻痺し、ただ打ち付けられる衝撃と、腹の奥で灼けつくような熱だけが、俺という存在の全てだった。ぐじゅり、ぐじゅり、と粘液が掻き回される下品な音が、リングに響き渡る。その音に合わせて、俺の腰が意思とは無関係にびく、びくと跳ねる。

「……らぁ゛ッ!!」

雄叫びと共に、五十嵐さんの腰がひときわ深く、強く、俺の身体を抉った。ずどん、と腹の底を突く鈍い衝撃。白田に嬲られた、あの芯。そこを、無慈悲な鉄槌が的確に打ち抜いた。

「あ、あ゛、あ゛ああああああッ!!!」

電流が背骨を駆け上がったような、強烈な痺れが全身を貫く。痛い。苦しい。屈辱的だ。なのに、身体の芯が、じんと熱を持って疼き出す。駄目だ、これ以上は、本当に……。

俺の反応を見て、五十嵐さんの口角が歪んだのが分かった。獣のような獰猛な笑み。

「……フン、ここか。ここがてめえの感じるところか、相沢ァ……!」

その言葉を合図に、今までとは明らかに違う、ねっとりとした執拗な動きが始まった。俺の身体の芯、ただ一点だけを狙い、ぐり、ぐりと、その巨大な雄の先端を押し付けてくる。逃げようにも、両足はがっちりと掴まれ、腰も押さえつけられている。

「や……やめ……ッ! そこは、だめ、だ……ッ! あ、ぅ……ッ!」

抗議の声は、喘ぎ声に変わる。擦り付けられるたびに、脳が蕩けるような甘い痺れが腹から全身へと広がっていく。腰が勝手に動き、五十嵐さんの雄を迎え入れようと蠢いてしまう。そんな自分の身体が、どうしようもなく憎い。

「うわ……見てくださいよ、五十嵐さん。アニキの腰、とんでもねえ動きしてる……。完全にメスじゃねえすか」

白田の嘲笑が、俺の最後の理性を焼き切った。ぷつり、と何かが切れる音。視界が白く染まり、腹の奥から、もう抑えきれないほどの熱い塊がせり上がってくる。

「……! こいつ、締めてやがる……! 俺のチンポ、締め殺す気か……ッ!」

俺の内部が、意思に反してぎゅうううっと強く収縮するのが分かった。その締め付けが引き金になったのか、五十嵐さんの腰の動きが、一気に激しさを増す。

「……ああ、もう我慢ならねえ……! 出すぞ、相沢ァ! てめえのその生意気な身体の中に、俺の種、全部ぶちまけてやる……ッ!」

ずぶ!ずぶ!ずぶ!と、最後の追い込みとばかりに、最奥をえぐるような激しい突きが三度、四度。そのたびに俺の身体は大きくしなり、喉からは自分のものではないような甲高い声が漏れた。

「ああああああッ! い、イグッ! イッちゃ……!」

五十嵐さんの腹の底からの咆哮と、俺の絶頂の叫びは、ほぼ同時だった。ごん、と根元まで突き込まれた衝撃と共に、腹の奥で、熱い奔流が解き放たれる。びく、びく、と脈打つ五十嵐さんの雄が、俺の内部に灼熱の精液を注ぎ込んでいく。その生々しい感覚が、俺の腹の芯を直撃した。

「―――ッ!!!!」

白田の時と同じ、射精を伴わない、空っぽの絶頂。だが、その快感は比較にならないほど深く、暴力的だった。全身の筋肉が痙攣し、背中が弓なりに反り、目の前が真っ白に弾け飛ぶ。俺はただ、リングの上で、二人の男によって快楽の地獄へと堕とされていった。

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興奮した白田は五十嵐と繋がったままの穴に挿入しようとする。焦る相沢に反するように五十嵐は入れろと命令する。相沢の一つの穴に無理やり二本入れられ、相沢はとてつもない快感を与えられる。

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余韻の痙攣がようやく収まりかけた俺の身体に、まだ五十嵐さんの熱い雄が埋まったままだ。ぐっしょりと濡れた内部で、射精を終えたそれが、存在を主張するように僅かに脈打っている。意識が朦朧とする中、すぐ側で粘つくような衣擦れの音がした。見ると、白田が涎を垂らしそうなだらしない顔で、自身の屹立した猛りを扱きながら、俺たちの姿をねめつけていた。

「……へへ……すげえや、アニキ……。五十嵐さんのチンポで、もうメスみてえになっちまって……」

白田はそう言うと、ぬっと俺のすぐ横に膝をついた。その目には、欲望の色がぎらぎらと燃え盛っている。そして、信じられないことに、その矛先を、今まさに五十嵐さんの雄で塞がれている俺の入り口へと向けたのだ。

「ま、待て……! 白田、お前、何を……!? 無理だ、そこは、もう……!」

ありえない。正気じゃない。既に一本で裂けるほどにこじ開けられている場所に、もう一本をねじ込むというのか。恐怖と混乱で声が裏返る。俺が必死に身を捩って抵抗しようとすると、背後から五十嵐さんの地を這うような低い声が響いた。

「……動くな、相沢。……白田、いいから入れろ。こいつの生意気なケツに、男のチンポは二本まで入るってこと、身体で教えてやれ」

絶望的な命令。五十嵐さんは俺の腰をさらに強く押さえつけ、逃げ道を完全に断つ。白田の顔が、悪魔のような喜悦に歪んだ。

「へへ……! やった! ありがとうございます、五十嵐さん! ……じゃあ、遠慮なく……。アニキ、失礼しますよ……っと!」

びちゃり、と五十嵐さんの精液と俺の汗で濡れた入り口に、白田の熱く硬い亀頭が押し付けられる。むぎゅ、と肉が押し退けられ、五十嵐さんの雄の側面に、白田のそれが無理やり滑り込んでくる。

「あ、あああああああッ!?!? ぎ、裂けるッ! 裂け、る……!!!!」

今度こそ、身体が真っ二つに引き裂かれる感覚。痛みというよりも、許容量を完全に超えた異物が内側から全てを破壊していくような、絶対的な侵犯。五十嵐さんの雄が壁となり、白田の雄が楔となって、俺の身体を内側から破裂させようとする。ぐり、ぐり、と二本の肉棒が内部で擦れ合い、蠢く。

じゅるり、と粘性の高い音を立てて、白田の亀頭が第一関節まで侵入した。その瞬間、今まで感じたことのない、脳を焼き切るような強烈な圧力が、俺の前立腺を直撃した。

「フン……どうだ、相沢。二本のチンポで同時に突かれる気分は……。もう、てめえのケツは、俺たちのモンだなァ……!」

五十嵐さんの言葉を合図にしたかのように、二人が示し合わせたように、ゆっくりと腰を突き始めた。ぐじゅ、ぐじゅ、と二本の雄が俺の内部で擦れ合い、今まで刺激されたことのない場所まで、余すところなく抉り、犯していく。

「あ、あ、ああ、だめ、そんな、とこ……ッ! い、イッちゃう、また、イッ、ちゃ……ううううううッ!!!!」

思考が追いつかない。快感の許容量を超え、脳がショートする。腹の奥で何かが弾け、俺は白目を剥いて、ただただ痙攣を繰り返すだけの肉塊と化した。二本の巨大な雄に同時に貫かれながら、俺は三度目の、魂まで抜かれるような絶頂の奔流に呑み込まれていった。

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先にイッてしまい二人に罵倒される。二人に同時に種付けされ、五十嵐から唾をかけられながら罵られ、白田は優しくキスをしながら愛を告げられる。

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俺の腹の中で奔流が荒れ狂い、思考が白く焼き切れる。三度目の絶頂は、もはや快感というよりも致死量の電気ショックに近いものだった。びくん、びくん、と俺の意思とは無関係に身体が跳ね、その度に内部に突き刺さった二本の雄がぐじゅりと蠢き、敏感になった内壁をさらに刺激する。自分のものか、それとも二人から流れ込んだものか、判別のつかないぬるぬるとした液体が、足の付け根を伝っていくのが分かった。

「……おいおい、見ろよ白田。こいつ、俺たちがまだイッてもねえのに、先にイッてやがるぞ。なんてだらしねえケツだ」

頭上で吐き捨てられた五十嵐さんの声は、軽蔑に満ちていた。その声が引き金になったかのように、白田もまた、ねっとりとした声で俺を嬲る。

「へへ……本当だ。俺たちのチンポ二本で突かれたら、もう我慢できなくなっちまったんですね、アニキ。……可愛いなあ……。もう、俺たちのチンポ専用のマンコじゃないっすか」

屈辱に顔が熱くなる。だが、身体はまだ痙攣の余韻から抜け出せず、ぴくりとも動けない。そんな俺を嘲笑うかのように、二人の腰の動きが再び始まった。今度は、さっきよりも速く、深く、そして、明らかに己の快感を求めるためだけの、暴力的で一方的な律動だった。ぐじゅ、ぐじゅ、ぐじゅり、と二本の肉棒が俺の身体の最奥で擦れ合い、ぶつかり合い、内臓をかき混ぜる。もはや、どこをどう刺激されているのかも分からない。ただ、腹の底が二つの熱い鉄杭でめちゃくちゃに犯されているという、圧倒的な事実だけが存在していた。

「あ、ぐ……ぅ、う……! ま、待……やめ……!」

意味をなさない言葉が口から漏れる。その時、ぐ、と五十嵐さんの雄が俺の腹の奥深く、これまでで最も硬い一点を圧迫した。

「……おら、相沢ァ……! そろそろ、てめえの生意気な身体に、俺たちのモンをたっぷりくれてやる……! ありがたく飲み干せ……!」

五十嵐さんが射精を告げると同時に、白田の喘ぎ声も熱を帯びる。

「……あ、アニキ……俺も、もう……! アニキの中に、ぜんぶ、出しちゃうから……っ!」

ほぼ同時に、二人の腰が大きく、深く、最後の突き上げを敢行した。ぐちゅん、と内壁が押し広げられ、最奥に二つの亀頭がめり込む。その瞬間、俺の髪が乱暴に掴まれ、顔を無理やり上に向けさせられた。目の前には、欲望に歪んだ五十嵐さんの険しい顔。そして、その口から、べちゃり、と粘り気のある唾液が俺の顔に吐きかけられた。

「……ン、ぐ……ッ! オラァッ! これがてめえへのご褒美だ、相沢ァッ! 俺の唾と精液で、ぐっちゃぐちゃになっちまえ……!」

唾液が頬を伝うその時、ふ、と唇に柔らかい感触が押し付けられた。白田だった。汗と欲望で潤んだ瞳で俺を真っ直ぐに見つめながら、優しく、しかし有無を言わせぬ力で、唇を塞いでくる。

「……愛してるぜ、アニキ……。あんたは、もう俺だけのモンだ……」

その言葉と同時に、腹の奥で二つの熱源が同時に爆発した。びく、びくん、と脈打つ二本の雄から、灼熱の奔流がとめどなく注ぎ込まれる感覚。五十嵐さんの野蛮な射精と、白田の愛情を告げる射精。その二つが俺の身体の中で混じり合い、渦を巻き、腹の底を熱く、重く満たしていく。唾液とキス。罵倒と愛の告白。あまりにも矛盾した二つの行為に脳が完全に焼き切れ、俺はただ、白目を剥いて二人の男に同時に種付けされる肉の人形と化していた。

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二人に髪を引っ張られながら、リングの角に連れられる。白田は用意していたスマホを取り出し、五十嵐に髪をつかまれた俺の写真を撮る。

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ずぷ、と生々しい音を立てて、二本の雄が同時に引き抜かれる。腹の奥に残された熱と質量が、ぐじゅり、と蠢き、俺が完全に器にされたという事実を嫌でも突きつけてくる。もう、何も考えられない。思考は真っ白で、ただ、天井のライトが滲んで見えるだけだった。キスをしていた白田が離れ、俺の顔に唾を吐いた五十嵐さんが忌々しげに舌打ちをする。抵抗する力も、もはや残ってはいない。だらり、とリングマットに投げ出された俺の身体は、まるで操り糸の切れた人形のようだった。

どれくらいの時間が経ったのか。朦朧とする意識の中、突然、髪を鷲掴みにされる乱暴な衝撃で現実に引き戻された。

「……ぐ、ぅ……!」

「おい、いつまで寝てやがる。起きろ、クズが」

五十嵐さんの野蛮な声。髪を掴む手に逆らうことなどできず、俺はぐったりとしたまま引きずられていく。マットが肌に擦れる感触がやけに生々しい。そのまま、リングの角にあるコーナーポストまで運ばれ、ぐしゃり、と無造作に座らされた。背中に当たる固いタークバックルの感触が、屈辱をさらに煽る。

何をする気だ、と霞む目で二人を睨む。すると、白田がコーナーの下から自分のジムバッグを引き寄せ、中からスマートフォンを取り出した。その画面をタップする指つきは、やけに手慣れて見えた。

「へへ……。アニキ、ちょっと動かないでくださいねえ……。記念撮影、しときましょうよ」

その言葉の意味を理解した瞬間、全身から血の気が引いた。やめろ、と声にならない叫びが喉の奥で潰れる。五十嵐さんが俺の髪を掴んだまま、ぐい、と顔を上げさせた。抵抗しようにも、身体に力が入らない。

「いいじゃねえか。こいつの、この無様な面……。たっぷり撮ってやれ。二度と俺たちに逆らえねえように、こいつのプライドを形に残してやるんだ」

白田がにやにやと笑いながら、カメラをこちらに向ける。カシャ、という無機質なシャッター音がリングに響いた。フラッシュの光が、俺の絶望に濡れた顔を白く焼き付ける。精液と唾液でぐちゃぐちゃになった顔。焦点の合わない虚ろな瞳。それは、かつて「アニキ」と呼ばれ、皆から慕われていた男の姿ではなかった。ただの、壊れた肉人形がそこにあるだけだった。

「うわ、すっげえイイ顔……。最高っすよ、アニキ。もっとこっち見てくださいよ。笑って?」

ふざけるな、と唇が動くが、音にはならない。白田は楽しそうに、何度もシャッターを切る。アングルを変え、俺の顔をアップで撮ったり、五十嵐さんと並んだ屈辱的な構図を撮ったり……。その一枚一枚が、俺の魂に消えない烙印を刻みつけていく。

「……や……め……」

「あァ? 何か言ったか、相沢。聞こえねえなァ。もっとでけえ声で鳴いてみろよ、メスブタみてえに」

五十嵐さんが、髪を掴む力をさらに強める。頭皮が引きちぎれそうな痛み。だが、それすらも、心を抉る屈辱に比べれば些細なことだった。この写真が、こいつらの手にある。その事実が、俺の未来を永遠に縛り付ける鎖となるのだ。

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五十嵐は相沢を罵倒しながら唾を吹きかける。「バラされたくなかったらリング綺麗にしとけよ」と命令され、二人はリングをあとにする。意識が朦朧としながらも命令に従い、リングを綺麗にして部屋の隅で意識を失う。

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白田がスマートフォンをジムバッグにしまい、満足げに口の端を吊り上げる。五十嵐さんは、俺の髪を掴んでいた手を乱暴に離すと、まるで汚物でも見るかのような目で俺を見下した。

「……チッ」

短い舌打ちと共に、顔に生温かい飛沫が飛ぶ。べちゃり、と音を立てて頬を伝う唾液。もう、拭う気力すら湧いてこない。

「おい、相沢。さっきの写真、バラされたくなかったら……このリング、テメェ一人で綺麗にしとけよ。俺たちの汗も、テメェの汚ねえ汁も、全部だ。分かったな?」

それは、命令だった。反論の余地など、もとより存在しない。こく、と小さく頷くことしかできない俺を見て、五十嵐さんはようやく満足したように鼻を鳴らした。

「じゃ、俺たちは先に戻ってますんで。アニキ、せいぜい頑張ってくださいよぉ」

ひらひらと手を振る白田。二人は俺に背を向け、リングを降りていく。器具の軋む音、そしてロッカールームへと続くドアが閉まる無機質な音が響き、練習場には俺一人が残された。しん、と静まり返った空間に、自分の荒い呼吸音だけがやけに大きく聞こえる。

身体が、鉛のように重い。だが、やらなければならない。あの写真が、世に出回ることだけは……それだけは、絶対に避けなければ。震える腕で、なんとか身体を支え、コーナーポストからずり落ちるようにしてマットに降り立つ。足が、がくがくと震えてまともに立てない。

四つん這いになりながら、隅に置かれている雑巾とバケツのもとへ這っていく。その道すがら、マットのべたつく感触が手のひらに伝わってきた。汗、唾液、そして……俺の中から無理やり引きずり出された、精液。それらが混じり合った、不快なぬめり。鼻をつく、生臭い匂い。

「……ぅ、……ぉえ……」

吐き気がこみ上げてくる。だが、ここで吐いたところで、それもまた自分の手で片付けなければならないだけだ。奥歯を食いしばり、込み上げてくるものを無理やり飲み込む。

冷たい水を含んだ雑巾が、重い。それを引きずり、まずは五十嵐さんたちが汗を飛ばしたあたりから拭き始める。ごし、ごし、と腕を動かすたびに、腹の奥がずくり、と痛んだ。身体の内側を蹂 躏された痕跡が、鈍い熱となって燻り続けている。拭けば拭くほど、俺は自分の身に何が起きたのかを、その汚れたマットを通して再認識させられていた。

自分の体液が飛び散った場所を拭くときが、一番、惨めだった。それは、俺が無理やり果てさせられた証拠であり、屈服させられた印だ。それを、自分の手で消していく。この行為は、まるで俺自身の尊厳を消し去っていく作業のようだった。涙が、ぼろぼろと溢れてマットに染みを作った。だが、その涙の染みも、すぐに雑巾で拭い去る。

どれくらいの時間が経っただろうか。朦朧とする意識の中、ほとんど無心で腕を動かし続けた。リング全体を拭き終える頃には、もう指一本動かす力も残っていなかった。ぐらり、と視界が揺れる。ああ、もう、ダメだ……。

バケツを元の場所に戻すこともできず、俺はその場に倒れ込むようにして横たわった。硬いマットの感触。消毒液の匂い。そして、拭いきれなかった屈辱の記憶。それらが混じり合った暗闇の中へ、俺の意識はゆっくりと沈んでいった。

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月日が経ち、今日も仲間と他愛のない会話して、トレーニングを終える。五十嵐と白田から特訓に誘われる。仲間から心配されるも曖昧に返事を返し、二人の元へ向かう。

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あれから、どれくらいの月日が流れただろうか。リングの上で意識を失った俺は、翌朝、ジムのオーナーに発見された。過労だろう、と診断され、数日の休暇を与えられただけ。あの日の出来事は、誰にも知られることなく、俺の心の奥底に深く、黒い染みとなってこびりついている。

身体の傷は癒え、トレーニングにも復帰した。後輩たちは、何も知らずに「アニキ!」と慕ってくれる。俺も、以前と同じように笑い、彼らのミット打ちを受け、アドバイスを送る。だが、ふとした瞬間に、あの日の屈辱的な記憶が蘇り、背筋が凍るのだ。マットに擦り付けられた頬の感触。身体を蹂躙した熱い肉の塊。無機質なシャッター音。それらが悪夢となって、幾度となく俺を苛んだ。

その日も、いつも通りの練習が終わり、俺は後輩たちと他愛のない会話を交わしていた。汗を拭き、息を整えていると、ぬっ、と背後に二つの影が差した。

心臓が、嫌な音を立てて跳ねる。振り向かなくても分かる。白田と、五十嵐さんだ。

「お疲れ様です、アニキ。今日もキレッキレでしたねえ」

「……」

白田がにやにやと笑いながら話しかけてくる。五十嵐さんは、ただ黙って腕を組み、値踏みするような視線を俺に突き刺していた。後輩たちが、緊張した面持ちで固まっている。

「で、アニキ。この後、ちょっと特訓付き合ってもらえませんか? 俺たち、もっと強くなりたくて」

特訓。その言葉の裏に隠された、おぞましい意味を、俺だけが知っている。全身の血の気が、さあっと引いていくのが分かった。

「相沢さん……? 顔色、悪いですけど……」

心配そうな後輩の声が、やけに遠くに聞こえる。断れない。断れば、あの写真がどうなるか分からない。俺のレスラーとしての人生も、プライドも、全てが終わる。

「……ああ、大丈夫だ。少し、疲れてるだけだから」

引きつった笑みを浮かべ、俺は頷いた。

「分かった。付き合ってやるよ」

「本当すか! あざっす!」と白田がわざとらしく声を上げる。俺は後輩たちに「先に上がっててくれ」とだけ告げ、二人の後について歩き出した。

連れてこられたのは、あの日の悪夢が繰り広げられた、誰もいない練習用リングだった。ガチャリ、と五十嵐さんが内側から鍵をかける音が響く。逃げ場は、ない。

「さて、相沢……。随分と待たせたな。あの日の続き、たっぷり可愛がってやるよ」

「まずはウォーミングアップと行きましょうか。アニキ、さっさと四つん這いになって、ケツこっちに向けてくださいよ」

それは、紛れもない命令だった。俺の新たな地獄が、今、再び始まろうとしていた。

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逃げようとするが白田はスマホを見せつける。画面にはあの日、汚れた顔を晒す自分の姿に俺は動けなくなる。白田と五十嵐は近づき、俺の左右の耳に囁くように脅しの言葉を告げる。俺は俯き、白田は歪んだ愛情を向け、五十嵐は口に唾を溜め込む。陵辱の日々は終わらない。(終わり)

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逃げなければ。その一心で、俺の身体は反射的に動いていた。背後の二人から距離を取り、五十嵐さんが鍵をかけた扉へと駆け寄ろうとする。だが、その数歩も進まないうちに、白田が俺の前に回り込んでいた。

「どこ行くんですか、アニキ。特訓は始まったばかりですよ?」

にやにやと笑うその手には、見慣れたスマートフォンが握られている。画面の明かりが、俺の目を焼いた。そこに映っていたのは、あの日の、精液と涙と汗でぐちゃぐちゃになった、屈辱に歪む俺の顔だった。

足が、縫い付けられたように動かなくなる。全身から力が抜け、指先が冷たくなっていく。希望という名の最後の糸が、ぷつりと切れた音がした。

絶望に立ち尽くす俺の左右に、ぬっと二つの影が立つ。右耳に、白田のねっとりとした吐息がかかった。

「あんたはさあ、俺たちから逃げようなんて考えちゃダメなんですよ。あんたの全部、俺たちが握ってるんだから……。あんたのレスラー生命も、そのケツの処女もねぇ……」

ぞっとするような甘い声が鼓膜を震わせる。同時に、左耳には五十嵐さんの獣のような低い声が突き刺さった。

「グズグズしてっと……またあの写真、ばら撒くぞ。今度はテメェの後輩どもにもな」

左右から浴びせられる脅しと歪んだ愛情の言葉。熱い息が耳朶を舐める感覚に、吐き気がこみ上げてくる。俺はただ、俯くことしかできなかった。俺の諦念を察したように、白田が満足げに喉を鳴らす。

「そうそう、それでいいんですよ、アニキ。あんたは俺たちに逆らわず、ただ可愛がられてればいいんですから」

その言葉を合図にしたかのように、左側に立つ五十嵐さんが、口の中でくちゅり、と粘着質な音を立てた。見なくても分かる。あの太い舌で口内をかき回し、唾液を溜め込んでいるのだ。あの日のように、俺を汚すために。ああ、終わらない。この地獄は、決して。